あてのない旅に はじき飛ばされた 意識だけの生き物 時流の山脈 暗夜の海峡 見放された死への 憧憬は雪のごとく降る 安息を握りつぶした沈黙は 心に深い風穴をうがつ 文明の小さな繁栄と 時間の小さな崩壊 愛の大きな包容と 優しさの崩壊 一夜の幻想 胎児の見た夢 使い古された祈りの言葉は 果てへ 果てへ 流れて 流されて 耐えがたき重圧が積もるなか 響きわたる哄笑は 闇に火をともし またたくまに 炎の十字が浮かび上がる 吼える炎は 凍りついた混乱と 眠れる混沌を 無限の鎖から解き放つ 風の牙が舞い 閉ざされていた 叫びと嗚咽が 鮮やかによみがえる 血を吸いつくしたよいな炎 光を吸いつくすような巨大十字 それが 虚空の門 すべてが存在し すべてが形を失う あらゆるものが混沌へと戻り あらゆるものが混沌より生まれる 暗黒のいざない 門の呼び声
by snake10244
| 2006-11-19 20:11
| 久遠の夜果てる時
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